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ミチビクCTOの仕事に関係ないこともつらつらと

イベントレポート:BtoB SaaS組織 若手CTOメンタリング会

このイベントでは、SmartHR CEOの芹澤さん、ラク執行役員開発部長の公手さんがメンター役となり、 BtoB SaaS組織の若手CTO様々なテーマの質問に回答していただきました。

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BtoB SaaS組織 若手CTOメンタリング会

自分もメンティー代表として登壇させていただき、質問をさせてもらったのですが、クローズドでこじんまりしたイベントで参加者からの質問が多く、非常にインタラクティブなイベントとなり、活発にやりとりが行われました。

場所はバイセル社のオフィスをお借りしました。最近できたエンジニア用のフロアだそうで、きれいで素敵なオフィスでした。

以下は、その内容をまとめたものです。

新規機能追加とチャーン防止のリソース配分問題

  • チャーン防止の機能よりも、新規機能追加にリソースを多く配分していた。
  • バケツの穴を塞ぐのか、バケツに水を多く入れるかの話なので、バランスが大事なのは当たり前。チャーンが多くないなら、ガンガン新規機能を作っていった。
  • チャーンの原因を特定し、建設的な議論を通じて対策を講じることが重要。プロダクトが悪いのか?セールスが無茶な受注をしたのか?CSの対応が不足しているのか?などは会社をよくするために、しっかり議論したほうがいい。

開発予算の根拠

  • 開発予算の根拠は難しいが、実績で示すことはできるので、信頼してもらうしかない。
  • 開発組織の社内ブランディングをする。うちの開発チームはイケてるって社内に認知してもらい、信頼をもらう。
  • PL的には、原価率が許容範囲内であれば問題ない。
  • 経営全体もアジャイルにして、ウォーターフォール的なロードマップをガッツリ長期間ひいて実行するのは、何ヶ月後がどうなっているのかわからないスタートアップでは難しい。

CTOとしてエンジニア以外に働きかける方法

  • リーダーシップ論を勉強し、専門用語を使わずに伝える。
  • 笑顔で話すことが重要。それだけでも大きく反応は変わる。エンジニアはムスッとしていてもみんなそんな感じだから問題ないと思うけど、別の職種の人と話す時は特に意識したほうがいい。

5-10人規模の開発チームの目標設定や評価制度について

  • 評価制度を設けるとしても、何度もチューニングが必要。なぜそもそも評価制度が必要なのかを考えるべき。
  • 優秀なマネージャーを育てることが重要であり、評価制度は二の次。
  • 市場が報酬を決めるため、うちはこれだけしか出せないからみたいな報酬の設定をすると、誰も採用できない。

組織が大きくなってもスタートアップマインドを維持する方法

  • カルチャーとポテンシャルを重視する。わかりきっていることだけど、即戦力の人は中々来てくれない。カルチャーが合わないのは絶対にダメ。
  • リーダーシップ論を勉強し、ストーリーテラーになって、みんなに語りかけることで人を動かす。
  • 透明性を重視し、意思決定に必要な情報を共有する。

CTOキャリアを目指すエンジニアへ:生株を持った取締役CTOになろう

1. 役割の違い

執行役員CTO→日常業務の遂行: 技術戦略の立案や開発チームのマネジメント、技術的な問題解決など、企業の技術部門を主導する役割を担当します。

取締役CTO→経営方針決定と監督: 技術戦略だけでなく、企業全体の経営方針の決定や監督、経営陣と協力して企業価値を高める役割を担当します。

したがって、あくまで執行役員CTOは経営方針を決められる立場ではなく、決められた経営方針にしたがってどう技術を使って解決するのかに重きを置くポジションになります。一方で、取締役CTOは、株主なども含めたステークホルダーと共に経営方針を決める立場にあるということです。

2. 権限と責任

取締役CTOの法的地位と権限: 会社法に基づいて、企業の経営に関する重要な決定を行い、企業全体の監督を担当します。また、法的に企業の代表者となります。

執行役員CTOと比較した権限の違い: 執行役員CTOは、技術部門の運営を主導し、技術戦略の実行に責任を持ちますが、取締役CTOは企業全体の経営方針決定や監督まで権限が及びます。

3. 生株を持つことで、企業価値との直接的な連動

長期的な利益の享受: 未上場企業の株式を保有することで、企業価値の変動に直接的に影響を受けることになります。企業が成長し、価値が上昇すれば、保有株式の価値も増加します。一方、ストックオプションは企業の価値が上昇した場合に利益を得られる可能性がありますが、価値が下がった場合は無価値になることもあります。

経営陣との一体感: 生株を持つことで、会社法的に、企業の持分所有者となり、経営に対する投票権を持ちます。これにより、経営方針や意思決定に一定の影響を与えることができます。ストックオプションは、権利を行使して株式を取得するまで、投票権や経営への参画ができません。

企業の価値をあげることが、取締役CTO自身のメリットにも直接的に連動するため、自分のモチベーションにも大きく繋がります。

4. 取締役CTOになるデメリット

責任の重さ: 取締役CTOは、経営方針の決定や企業全体の監督を担当するため、その責任が大きくなります。また、法的に企業の代表者となるため、会社法に基づく権限と責任を持ちます。これにより、業績不振や不祥事があった場合、取締役としての責任を問われる可能性があります。

業務範囲の広がり: 取締役CTOは、技術戦略だけでなく、経営全般に関与する必要があります。これにより、業務範囲が広がり、多くの時間と労力を要求されることがあります。そのため、技術開発に集中できる時間が減少する可能性があります。

経営スキルの必要性: 取締役CTOには、技術スキルだけでなく、経営に関する知識やスキルも求められます。これにより、経営学や財務、マーケティングなどの知識を習得する必要があり、その学習コストが増えることが考えられます。

株主との関係: 取締役CTOは株主に対して責任を負う立場であり、株主からの評価や期待が高まります。そのため、株主とのコミュニケーションや説明責任が増えることが考えられます。

取締役CTOになるには、デメリットもあるので、正確に理解しておいた方がいいです。メリット、デメリットの精査は必要ですが、生株を持った取締役CTOが多く増えて、日本のエンジニア界隈を盛り上げていければいいなと思っています。

AIサービス利用のガイドラインを作成しました

AIサービス利用のガイドライン公開している企業さんでてきましたね。

弊社も、AIサービス利用のガイドラインを作成し、メンバーのみんなに安心してAIサービス利用できるようにしました。

基本

  • AIサービスの利用目的や適用範囲を明確にすると共に、業務利用にあたって、法令および社会通念上の倫理・規範を遵守する。
  • AIサービスを業務利用する場合は、原則として使用する部署の管掌役員1人からサービス利用許可を得ること。
  • 業務利用とは、各種AIサービスに、業務に直接関連する情報を入力すること。
  • 検証目的で、業務に直接関連しない情報(テストデータなど)を入力して試すことは問題ない。
  • 業務情報を利用したい場合は、この後の「業務利用する場合」のガイドラインに沿うこと。
  • サービス利用前に、データの取り扱いの規約を必ず確認すること。

AIサービスを業務利用する場合

  • 業務利用しているAIサービスの、業務利用を継続するか否かについて、業務利用後に評価を行い、判断をする。また、定期的に評価も実施し、判断をする
  • 継続利用する場合、定期的な教育やトレーニングを行い、適切に利用できるような体制を整える
  • 業務情報を用いる場合は、利用規約を確認し、機密情報の扱いに問題がないサービス・プランを利用すること
    • ex) ChatGPT plusでは、業務情報の利用はダメだが、ChatGPTのAPIならば問題ない
    • ユーザーが入力した情報をサービス全体の学習に利用しない、入力データ自体をサービス側で保持しないなど
    • 自社内だけで利用できるモデルを学習・作成することは問題ない
  • 入力した情報を学習するサービスを業務利用する場合であっても、極力、業務に直接関連する情報を入力することは、ダミーデータを用いたり、情報の一部をマスク処理する等の方法により、避けること。ただし、業務遂行上、必要な場合にはその限りではない。
  • 入力した情報がサービス全体での学習に利用されないサービス・プランを利用する場合でも、重大な機密情報や個人情報の入力は極力避けること。
    • 重大な機密情報とは、A情報のことを指す。
      • A情報とは、 セキュリティハンドブック の情報資産の分類に従う
    • どうしても入力が必要な場合は、経営メンバー全員からの許可を取ること

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情報資産の分類

文章生成AIの利用

  • 文章生成AIが生成する文章は、内容が正しくない場合があることを認識して利用すること
  • 文章コンテンツの粗製乱造をしないこと。(ブログ記事を文章生成AIで乱造するなどの行為は避ける)

    コード生成AIの利用

  • コードの情報をサービス側に転送せずに利用できることが望ましい
  • コードの情報をサービス側に転送する利用形態の場合、以下を遵守すること。
    • 利用範囲については必ずチーム内で合意のうえで利用すること。
      • 汎用的な処理における利用のみ許容するなど
    • 業務上機密性の高い処理で利用する場合は、適切にリスクアセスメントを実施すること。

サービスとして提供する場合

  • サービスとしてAIが生成するコンテンツを提供する場合は、AIが生成したものであることを明記し、内容については参考程度にする断りを入れること。
  • 利用規約において、入力データの取り扱いとその目的を明記すること(サービス向上のための学習に利用するか、など) その他のコンテンツ生成AIの利用(画像生成AIなど)
  • モラルの問われるコンテンツの生成・利用は避けること(既存の著作物に類似した画像の生成など)

許可するサービス

  • ChatGPT
  • GitHub Copilot
  • DeepL

AWS主催のSeed CTO Dojoに参加してきた

AWS主催のSeed CTO Dojoに参加してきた

aws-startup-lofts.com

AWSの担当者からお誘いを受け、Seed CTO Dojoに参加しました。 このイベントはシード〜シリーズAのスタートアップのCTOが集まり、同じ時期に起業したCTOと交流を深める場でした。 今回は、そこで学んだポイントをいくつか紹介したいと思います。 イベントを通じて、PMFがトピックになっていました。

テックトピック:シード期のスタートアップのための技術セッション

早期段階では、データドリブンなフィードバックサイクルを素早く構築し、ユーザーが自動的に拡散する仕組みを作ることが重要です。 中期段階では、指数関数的な成長にスケーラビリティ、柔軟性、拡張性が機能的にも組織的にも必要となります。

特に以下の2つのポイントが重要です。

  1. 目の前の判断がOne-way Door(後戻りが難しいもの)かTwo-way Door(試して後から変更できるもの)かを判断し、無駄に時間をかけず、試してみるハードルを下げることが大切です。

  2. 差別化につながらない重労働(Undifferentiated Heavy Lifting)を避け、AWSのようなサービスを利用することで効率化を図りましょう。 データドリブンにプロダクトの意思決定を反映し、MVPの作成や改善を素早く行える仕組みを整えておくことが重要です。

プロダクトトピック:先輩CTOからPMFまでの経験談を学ぶFireside Chat & グループ内での感想戦

参加者たちが共有した経験談から学ぶことができるポイントは以下の通りです:

  • 特定のユーザー向けしか使われない機能は作らないこと。
  • コアコンピタンスではない技術には力を入れすぎないこと。
  • 競合に対する対策を考えること。例えば、GAFAが参入してきた場合の対応策など。
  • 1-2個のコアコンピタンスを確立すること。例えば、ドメイン知識やAI技術など。
  • 最初はフルスタックの人材を集め、5-10人のタイミングでチームを分けて疎結合にすること。
  • PMF(Product-Market Fit)を定性的なものとして捉え、一気に使われるようになった機能をリリースすること。

マネジメントトピック:シード期にこそおさえておきたい経営者マインドFireside Chat & グループ内での感想戦

経営者マインドを持つことが重要で、以下のポイントが挙げられます:

  • シード期には、大きなマーケットであること、攻め方の順番、創業メンバーの質などを投資家が評価しています。
  • CTOはCxO(最高経営責任者)であることを自覚し、責任感を持ってスケーラビリティを追求しましょう。
  • CTOは経営の数字の見方を学び、CxOが交代することも覚悟しましょう。
  • 経営と執行を分け、選択と集中を大切にしたほうがよい。

シード期のスタートアップにおいて、技術、プロダクト、マネジメントの各トピックについて学ぶことで、より効果的な経営を行うことができます。成功への道筋を見つけるために、これらのポイントを理解し、実践することが重要です。また、同じステージにいるCTOとのネットワークを築くことも有益です。彼らとの交流を通じて、さらに多くの知見や経験を共有し合い、スタートアップの成長を加速させましょう。

react-konvaにOSSコントリビュートした

やったこと

  • Konva.jsではSnapのサンプル実装があったけど、react-konvaでは存在しなかったので、サンプル実装を新たにつくった。

具体的には、

  • Konva.jsではSnapのサンプル実装をreact-konvaに変換
  • Codesandboxで動くようにする
  • Konva.jsのHPのdocsの修正をするPRを出す
  • ついでに、Zennにも寄稿する

github.com

zenn.dev

codesandbox.io

困ったこと

OSSにコントリビュートする時のブランチの切り方とかちょっと思い出しながらやった。 久しぶりだと忘れてしまう。。。

参考にさせていただきました! 🙏 qiita.com

その他

ChatGPT4先生のおかげで、これが半日くらいでできたので、生産性爆あがり!!

ミチビクのプロダクトチームのミッション、バリューを考えてみる

プロダクトチームに関わるメンバーが増えてきて、 ミッションや行動指針をつくって、共通認識をそろそろみんなで持つ必要があるのでは? と考え始めた。

まんがたりさんのnoteを参考にさせてもらった note.com

一旦今日考えてみたけど、これでいこうと思うので、チームのみんなに相談する。

自分の想いをミッションにのせてみた。 行動指針は、プロダクトチームのみんながこういう行動指針で、自律分散型で意思決定できたらいいなという想い。

ミッション

  • Impact Evolution - 社会課題への革新的な挑戦
  • CxO x10 - 日本の起業家CxOを10倍に
  • Work Anywhere, for Everyone - 誰もが好きな場所で働ける世界に

行動指針

  • Stay healthy, Work hard, Play hard
  • Enjoy Development
  • Done is better than perfect
  • Do Kaizen
  • Give, Give, Give, Give, Give & Take

公式アンセムはこの曲!


www.youtube.com